巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」
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逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]
2019/06/17(月) 22:02:32.05 ID:+O8DlL780
巌窟王「ふん! まあいい。こんな言い争いにかまけている余裕はないからな!」
セミラミス「多少は大人になったか。謝罪は?」
巌窟王「すまなかった!」バァーーーンッ
セミラミス「誠意が足りんがまあよかろう!」ドォーーーンッ!
巌窟王「……まさかアンジーが俺を突き落とすとはな……腹立たしい。おそらくこれで俺の進路は完全敗北だろう」
巌窟王「見上げてみれば……遠いな。だが小さいという気はなんとなくしない」
ロムルス「……」ニコニコ
巌窟王「その微笑ましいものを見るような笑顔をこちらに向けるな」
セミラミス「くくく……感慨深いか? 癪に障るが、気持ちはわかるぞ」
巌窟王「……俺はアイツらを導けたのだろうか」
セミラミス「さてな。だがあれもこれもと介入し続けるのはサーヴァントとしてもマナー違反だ。このくらいでちょうどいいと思うぞ」
セミラミス「……さて。あの聖女のことは我もそこそこ好きではないが、一つだけ意見が合うことがあったな。ふと思い出しただけだが」
巌窟王「?」
セミラミス「死者(サーヴァント)が生者を導くなどおこがましい」
巌窟王「!」
セミラミス「……いや? 流石に貴様のことを全否定する気はない。あくまでふと思い出しただけだ。この言葉も我の本意ではない」
セミラミス「ただ『それは言い過ぎだが、スタンスとしては我に近しい』と思っただけなのだ」
セミラミス「我らはサーヴァント。今を生きている者、どこかに向かおうとしている者の背中を押すだけでちょうどよい」
セミラミス「その結果、連中が心底絶望して落涙するのを見るのもよいし……」
セミラミス「勢い余って世界を救ったりしたら傑作だろう?」クスクスクス
セミラミス「我は背中を押すだけ。押した結果、あやつらがどうなるかを我は楽しむ。期待する」
セミラミス「……こういう楽しみは貴様にはできぬか? 言ってはなんだが大分一般的な趣味嗜好であろう?」
巌窟王「……戯言を。世界を救うだと……? そんな大したこと、アイツらは微塵も考えていないだろう」
巌窟王「そら。最後の戦いだ。俺はあれを見届ける。今はそれでいい」
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