巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」
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287:逆転の人 ◆SxyAboWqdc[saga]
2019/01/13(日) 20:45:17.05 ID:pyrqHhE50
最原「……」

巌窟王「わかるな? その憎悪を、次に誰に向ければいいか。貴様はわかるはずだ。諸悪の根源がなんなのか」ギンッ

百田「巌窟王。テメェ、やり口が段々悪魔そのものになってきやがったな」

百田「やらせると思うか?」

巌窟王「クハハ! 貴様の意見など知ったことではない!」

巌窟王「……と言うのは簡単だが、ここは学級裁判だ。そういうわけにもいくまい」

巌窟王「第一、この方向性で『俺の望む方』へと誘導するのは至難の業だ」

春川「……どういうこと?」

巌窟王「白銀への憎しみを理屈で断ち切る。最原なら可能な芸当だろうな。苦しんではいるが、そいつはそれができる人間だ」

巌窟王「今の最原なら、俺の力で充分『救える』。だが他はそうではない」

巌窟王「『白銀は悪くない』という理屈を、他の連中は絶対に受け入れない。理論での証拠がいくらあろうとだ!」ギンッ

春川「……!」キョロキョロ

入間「……」

東条「……」

星「……」

獄原「……」

春川「……そこまで憎い? そこまでイヤ?」

春川「そこまで疲れちゃったの? 誰かを恨まなきゃ、目の前を見ることもできないくらい?」

春川「……ねえ! なんか言ってよ! みんな!」

巌窟王「クハハハハハハ! ままならないな! 今の最原の状態なら充分篭絡できようが……!」

巌窟王「白銀への憎悪で身を焦がしていた連中は、そこから魂を動かせない! 白銀から世界への『憎悪の切り替え』が不可能だ!」

巌窟王「白銀を憎むことこそが、世界を憎むことだと信じていたのだろう?」

巌窟王「残念ながら、白銀すら『世界から犠牲にされた側』だ! とうに切り離されたトカゲの尻尾でしかない!」

巌窟王「……さあ。どうする最原? 貴様はこいつらを救えるか?」

最原「え?」

巌窟王「救えないのなら……無責任極まりなかったな。貴様はただ真実を振りかざして、仲間を傷つけただけだ」

巌窟王「……貴様は真実を追い求めるべきではなかった」

最原「――」





最原(……今のは……物凄く、カチンと来た)


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