54: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/07(火) 00:53:05.71 ID:KfRt/2pU0
本当は、分かっていた。
大野の俺を見つめるときのやけに優しい目を。
俺を嫌いだなんてそんな嘘をついた大野が思っていることを。
分かっていて、わざと一番最低な言葉を一つずつ選んで大野を傷つけようとした。
大野の俺に対する執着心は確かに客観的に見れば気持ち悪い。
でも、大野の気持ちそのものを気持ち悪いと思ったことは、本当は一度もなかった。
俺は、大野を傷つけてどうしたかったんだろう。
大野を傷つけることで自身の大野に対する怒りを鎮めたかったのだろうか。
葬式は大野の家族の意向により、家族内だけの密葬で行われたが、俺や元入江小3-4のメンバーも参列させてもらえた。
喪服なんて一番似合わないような連中が、泣きながら真っ黒い装いに身を包んでいるのは、異様な光景にも思える。
山田が「アハハー同窓会だじょー」と騒いであの関口に殴られていた。
学年が上がってクラスが離れた奴、中学では同じクラスだった奴、隣の中学へ行った奴。
皆久しぶりに集まってなんだか忘れていた事を思い出した。
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