825: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2020/05/30(土) 20:12:12.53 ID:8IHg2OgDO
『もう一人のあたし…扉の力でも消しきれないのは証明されてる。何かの拍子に名前を呼ばれないとも限らない。そんな時お姉ちゃん一人じゃ心許ないし…それに…』
「それに?」
『……杞憂、なら…いいけど、あたしには多分やらなくちゃならない事がある』
まただ、あの八島も、そしてY子さんも浮かべていたあの表情…畏れのような…
「あの人…ですか?」
『っ……うん、そう…。造り出し、名前を与え、因果が生まれた…もし…今の世界にも居たらきっとまた…』
「もし?」
『判らない…あたしからは何も読み取れない、もしかしたらお姉ちゃんなら判るかもだけど…』
何だかY子さんが普段よりも更に縮こまって見えた。それほどに怖いのだろうか
『……何かあった時…見守るだけじゃ駄目なんだって、見に染みて解ったんだ…だから…』
Y子さんは私達を見回し、言った
『出来たら一緒に来て欲しい、いざという時にあたしに力を貸して欲しい…お願い』
そうして頭を下げた
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