515: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/07/18(木) 05:17:42.86 ID:bgBXNCBDO
そしてヴェールヌイさんの家族から返信の手紙と思い出の品だという指輪を預かった夕立さんは早々に帰国の途に就こうとしていた
「何だか落ち込んでいますね彼女」
潜水新棲姫「手紙は口実であの軍人とやらを連れて帰るのが目的だったようだな」
パーティーの席でそれとなく話を振られた軍人さんは自らの職務と使命を理由にそれを断っていた
「そこからですね夕立さんがずっと不機嫌なのは」
潜水新棲姫「珍しいものを見れたものだ。他人など必要無いとばかりに突き放していたアイツと同一人物とは思えないくらいだった」
「あ…あの人」
帰ろうとしている夕立さんを呼び止める人物が居た、あの軍人さんだ。かなり走って来たのか汗だくで息を切らしている
その彼は夕立さんに向かって何かを投げ渡した。どうやらそれはロケットペンダントのようだった。それを受け取った夕立さんの表情は今まで見た事が無い程に輝いていた
「素敵な笑顔ですね…本当に映画を観ているようです…」
夕日に照らされた海で彼女はそれを首に掛けて日本に向けて水面を疾走する
その時の夕立さんは特務艦でも、復讐に縛られた艦娘でもなくただの恋する女の子にしか見えなかった
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