358: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/04/30(火) 06:18:39.53 ID:X5txiLSDO
『…お姉ちゃんもあの伊19みたいに心配性な部分あるから。むしろ心配なのはこっちだっての』
「うふふ」
『なにさー。朝ちゃん、最近ちょっと生意気!』
「ちょっと羨ましいなって思っただけです。艦種的には私にも妹は沢山居ますが…それを実感する暇はありませんでしたから」
これでも私も朝潮型の長女だ。だけど妹達に出会う前にああなった。感覚的には一人っ子みたいなものだ
『…ずるいなあ、もう。そんな風に言われたら怒れないじゃん』
「ごめんなさい、でも正直な気持ちです」
Y子さんは拗ねたようにそっぽを向いて呟く
『…ほんとは、理想郷なんて…』
その先の言葉は私の耳には届かない。だけど何を言おうとしたのか何となく解ってしまう
本当は理想郷なんてどうでもいいから富士さんには一緒に居てほしい
そんな風に言いたかったのかもしれない
私がここに来るまで彼女はここでずっと一人で、富士さんは艦娘を救おうと世界中を駆け回っていて、彼女はそんなお姉さんをどんな気持ちで見ていたのだろう
もちろん富士さんが救おうとしている中に妹である彼女が一番に含まれているのは確実なのだろうが…
救うとは何なのだろう。その為に今寂しい思いをさせている。気付いた時には距離が開いてしまっていて昔のように話せない。想いは届かない
私に出来る事は何か無いだろうか…ここに来てまた新たな悩みが生まれてしまったようだった
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