304: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/04/16(火) 05:16:46.11 ID:t/ppvMKDO
ピシャ
慌てて襖を閉める音
「気になる事は気になるんですね…岩戸か何かでしょうか」
『また呼ぼうか?あたしが』
「いえ、そっとしておきましょう。無理強いしても仕方ありません」
今や奥の部屋は漣さんのテリトリーのようになっていた
私達も敢えて踏み込んだりはしないようにしている。彼女が自分の意志で来ない事には始まらないのだ
たまに泣き声が聞こえたりうなされる声がしたり、暴れる音がしたりとまだまだ彼女は不安定なようで
考えてみたらあの頃の私によく似ているような気がする。司令官達もこんな気持ちだったのだろうか…
司令官のように上手く慰める自信の無い私は下手に声もかけられずにいた。そもそも慰めの言葉が果たして彼女に有効なのかも判らない
無力感。どうしてあげる事も出来ない。せめてこの先何かしら上手く転んでくれる偶然に期待するしかないのだろうか
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