200:名無しNIPPER[sage saga]
2018/09/02(日) 18:49:55.41 ID:rr1Aanow0
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-三十分前・白糸台本校舎女子トイレ-
「今の片岡さんは高さと早さの切り替えが効く。あのときの片岡さんに安手で良しと言ったのは私たちだ。片岡さんの手が安いという判断材料を、宮永照が持っているはずがない」
「ゆみの言うとおりね」
「やけに……あっさり認めてしまうんだな。いいのか」
「私もそれだと辻褄が合わないのはわかってて言ったしね。でもリスクとリターンの話までズレてるとは思ってない。宮永照には優希の手が高くないと判断する別の材料があったんだと思うのよ」
「別の材料?」
「照魔鏡かな」
「いや、照魔鏡は相手の内面を観る代物だろう。それならむしろ片岡さんの打点の高さを裏付けるものなのでは」
「観られたからじゃないわ。観られなかったからそう推し量ったのよ」
「どういう……待てよ、ああ。決勝戦か?」
そう、決勝戦で優希と宮永照は対決している。そのときの、数日前の優希を想定して戦っていたんだとしたら、彼女の脳内で優希という打ち手は『東一局で最も力を発揮し、東場全体として早く安い打ち手』というものになっている。
「しかし、そうだとしたら何で今回は観ていないんだ。同じ相手には一度しか使えないとかなのか」
「それはないわね。昨日モモちゃんに観てもらった映像だと、鏡らしきものは辻垣内さんの後ろにも現れてたみたいだし」
「ああ、そう言ってたな。じゃあ他に考えられるのは……」
「私がいたから、ってのはどう?」
優希は小柄だ。客観的にと言ってもいいけれど、今は相対的なもので事足りる。その方向で訂正しておくと、私に比べたら優希は小柄だ。つまりなにが言いたいかというとね。
「東一局が終わったとき、私は優希の後ろにいた。もしその陰に隠れて優希が鏡に映らなかったんだとしたら? 長々と話してきたけど私が言いたかったのは、要するに『宮永照の能力である照魔鏡は、肉眼ではなく鏡に映った人の本質を観る』んじゃないかってこと」
決まった。この主張をするために思考の過程を一から説明してきたんだ。世紀の大発見、これを学会に発表すれば何かしらの賞は間違いなし!ほら、オーディエンスの反応も思ったとおりだ。ゆみが呆れた顔でこちらを見る。
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