照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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100:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/03(金) 20:23:34.74 ID:uC+MDGI60
先輩から二の矢が継げられ、少し思考する。照が受け、その動機も聞いた。間違いなく照自らの行動のはずだ。

「本当……だと思いますが、先輩は何が言いたいんですか」

意図が読めず曖昧な聞き方になったが、これはよくない。聞き手によっては不満げに聞こえてしまう。案の定、先輩がしりごみしたような喋りになる。

「ごめんなさい、あんまり深入りしないほうがいいよね。やっぱり忘れて。ただちょっと……弘世さんって親切だから」

偶然なのだろうが、いつしかの照に言われた言葉が重なる。

「言い方がきつくなりました、すいません」

「ううん、気にしないで。弘世さんは声低いから印象変わっちゃうもんね」

「そう言ってもらえると気が楽です」

自分の声がどう聞こえているか自身ではわからないと言うが、私の声はきつく聞こえるということだろうか。地味にショッキングだ。
そんな私の想いとは裏腹に、柔和な笑顔を浮かべるが切り出す。

「そろそろ私、職員室に戻ろうかな。あんまり長くいるわけにもいかないし」

「そうですね。私も照を待たせてるので。さっきの問いはもういいんですか」

「うん。弘世さんが『何が言いたいんですか』って言うなら、たぶん大丈夫みたいだしね。それじゃあ、またね弘世さん」

「そうなんですか……? ならいいですが。 またいつでも来て下さい」

「ありがとう。宮永さんの催し、誠子ちゃん達にもいつか話せるといいね」

「はい。…………あれ?」

それだけを言い残すようにして宇野沢先輩は、廊下の角を曲がり消えていった。


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