男「僕の生徒は亜人だらけ」ロウェナ「おねーさんを称える三回目!」
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682:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2019/01/08(火) 21:04:54.90 ID:yp+B89+r0
ロウェナ「ほえー、汽車って結構速いんだねぇ」

男「大体の種族よりは速いと思いますよ」

汽車より速い種族はいる。テラス学園長がその筆頭だったりする。まぁ、それでもこのご時世遠くまで飛んで行こうなんてのは物好きしかいないから天狗も汽車を使う。

ジェラ「サレムさん、凄い荷物ですね。一泊二日ですよ?」

サレム「ふふふ、移動中のお供、トランプを持ってきたのですよ」

ルーティ「やんややんや!」

ベル「ひゅーひゅー!」

リリ「皆さま、軽食とお飲み物を用意しております」

サレム「むむむ」

向こうは向こうで盛り上がっているらしい。リリさんが用意したサンドイッチの山を皆で仲良く(ヒヅキさん6:他の人4)食べていた。

男「にしても別荘とは、お金持ちは世界が違うね」

ミレイア「崇めてもいいわよ?」

それは勘弁願う。凄いとは思うけれど羨ましいとは思わない。

ロウェナ「ほらほら! 海がきらきらって、綺麗だよ! ほらっ」グイングイン

プライヤ「あぁ゛ア゛あ゛ああァ 、オイラ寝たいんだぞぉオ」ガクンガクン

男「ロウェナさん、止めてあげましょう」

ロウェナ「だって海が! 綺麗! ぴかぴか!!」

朝日を反射してきらきらと光る海に圧倒されたらしいロウェナさんは語彙力を失っていた。

確かに海は綺麗だけど、そこまで感動………そうか、ロウェナさんだもんなぁ。

ミレイア「さて、これから汽車で2時間の旅だけど、親睦深めるには良い時間なんじゃない?」

ミレイア「あんたはどこか人から距離を取ってる節があるのよ、もうちょっと親身になってくれてもいいんじゃない?」

男「そんなことないよ。僕は」

ミレイア「そうね、教師としては親身にはなってるわ」

皆のために色々しているつもり、と言おうとした。

だけどその言葉はミレイアさんの先回りした言葉に潰されていた。

ミレイア「私はあんた“個人”の話見たいのよ。ねぇ、ロウェナ」

ロウェナ「ん? そうだね。もっと先生と仲良くなりたいなー。んーっ」

ロウェナさんの顔が迫る。どんどん迫る。近づく。

男「なにしてるんですか!?」

ロウェナ「仲良くしようかと」

ミレイア「あんたの価値観はずいぶん派手ね」

ミレイア「ロウェナの冗談はともかく本当に誰かと親しくなる覚悟くらいはしてもいいと思うわよ。ほらほら、誰かと親睦を深めてきなさいな」

そう言ってミレイアさんが手をしっしと振る。バカにしてるように見えて、その目はどこか優しかった。

………誰かと仲良く、か。

仲良くはあるつもりなんだけどミレイアさんの言うとおり親睦を深めてみよう。

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