海未「陽の昇る空」ことり「陽が沈む海」-SS速報VIP

海未「陽の昇る空」ことり「陽が沈む海」

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4:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 21:54:31.43 ID:Z1wE5bR80
　言葉にするのは難しいけど、海未ちゃんと私の間には、遠慮っていう見えない幕が引かれている。
　そんなイメージがある。

　海未ちゃんが大切なお友達なのは間違いない。
　でも、それとこれとは、またちょっと違うお話。

以下略 AAS

5:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 21:55:43.20 ID:Z1wE5bR80
―――

　真夏の行楽地となれば、辺り一面から鳴り響く蝉の声に劣らぬだけの、人々の賑わいが各所から湧き上がる。

以下略 AAS

6:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 21:57:16.09 ID:Z1wE5bR80
　思い返せば、ことりと二人で遠方まで出かけるのは稀な出来事と言えた。
　趣味や嗜好面で重なる部分が少ない私たちだから、出かけるきっかけとなる明確な理由が少ない為かもしれない。
　それこそ、今回のような季節柄のイベントは、常に三人でのものだった。
　共通の趣味を通じて自然と盛り上がる、といったことができない今回のようなイベントに、ことりと二人で赴くのは、記憶にあるだろうか。

以下略 AAS

7:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 21:57:56.48 ID:Z1wE5bR80
「お待たせ」

　時間にしては短いながらも激しい陽光に当てられ、早くも思考が眩みかけたタイミングで、ことりの控えめな声が響いた。
　振り返ると、互いにビーチで初お披露目しようと決めていた、ことりの白い水着姿があった。

以下略 AAS

8:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 21:58:42.75 ID:Z1wE5bR80
　ことりの水着姿は素直に可愛らしいと思った。
　道中とは違う、無理に捻り出すのではない自然な感情と言葉に安心して、普段通りの私たちに一瞬だけ戻ることができた。

　そう……ことりは本当に素敵な友人。
　そんな相手に対して、一方的な遣り辛さを覚えてしまう私は、薄情な人間なのかもしれない。

以下略 AAS

9:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 22:00:45.17 ID:Z1wE5bR80
―――

　砂浜にシートを広げられるスペースを見つけて、荷物を置いて、せっかくだからって奮発してレンタルした大きなパラソルを設置する。

以下略 AAS

10:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 22:01:42.25 ID:Z1wE5bR80
「つめたいー！」

　海に足を踏み入れると、海水浴に来たっていう実感が身に沁みてきて、気分も高まってくる。
　隣では海未ちゃんも楽しそうにしていて、海中で足先を動かしながら水の抵抗を確かめていた。

以下略 AAS

11:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 22:02:25.54 ID:Z1wE5bR80
　ただ……私の声は乾いてなかったのか、少し心配だった。

　互いに海水をかけあうと言っても、私たちの応酬は、雫が数滴身体に飛ぶ程度のこと。
　普段だったらそれこそ両手で目一杯水を掬ったり、はしたなさを忘れて全力で足で蹴り上げたりもしていたけど、今はそうはならない。
　思い切りよい行動ができるまでのきっかけが、私たちには必要になるから。

以下略 AAS

12:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 22:03:54.13 ID:Z1wE5bR80
　海未ちゃんが相手の時、どこまでふざけたり構ったりしていいのかなっていう、アプローチの度合いで迷うことがある。
　でも天真爛漫な穂乃果ちゃん相手なら、私も最初から遠慮なんてせずに何だってできた。
　そうやって穂乃果ちゃん相手に戯れている流れの中でなら、海未ちゃんにだって同じように接することができた。

以下略 AAS

13:名無しNIPPER[sage]
2018/07/25(水) 22:04:50.59 ID:Z1wE5bR80
―――

　海水浴場に到着してからそう時間は経過していないうちに、早めのお昼を取ることになった。

以下略 AAS

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