17:名無しNIPPER[saga]
2018/07/27(金) 12:32:55.01 ID:ehHuSdLi0
「ああ、心を読まずとも、分かります。貴方の気持ちが」
彼女の小さな体は、今や貴方の大きな腕にすっぽりと抱きしめられている。
体格差もありながら、一生懸命に腕を伸ばしてより貴方の体のぬくもりを感じようと抱きしめ返す彼女に、
貴方はより一層愛しさを覚える。
「もう、無粋な能力。言葉だっていらないのに勝手に貴方の想いが流れてきてしまう」
「…これから何をしてくれるのか、だなんて。能力が無くたって分かるわ」
そう言うと、彼女は貴方を抱きしめていた腕を名残惜しそうに緩ませる。
それを感じ取った貴方も腕を緩ませ、少しだけ彼女との密着を辞める。
すると必然的に、見つめ合う形になる。が、貴方の目線は彼女の目よりもう少しだけ下に。
「もっと、もっと近くで、貴方を想わせてください」
「それをすれば、きっと、もっと強く貴方を感じられる」
「…目は、閉じた方がいいのかしら?……そう。なら、そうします」
頬をほんのりと紅く染め、彼女は静かに目を瞑る。
そして貴方は無防備となった彼女の艶やかな唇にーーーーーーーー
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