藤原肇「釣りはお好きですか?」
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13: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2018/07/25(水) 17:50:20.51 ID:EN7B3i0VO



 二人並んで、夕陽に照らされた道を歩く。
 夏の暑さは夜の涼しさに変わり始めて、吹き抜ける風が心地良い。
 うん、そうだな。
 また肇と此処に来たいと、心からそう思えた。

「でも、お互い一匹も釣れないとはなぁ」

「ふふ……私は大物を釣りましたよ?」

「ん? いつの間に……?」

「気付いてないんですか?」

「これから釣るとか?」

「いえ、昨日です」

 さっぱり分からないが。
 肇が上機嫌だし、良しとするか。
 楽しそうに微笑む肇の表情が、最後に見れた。
 今日一日の成果としては、充分だろう。

 むしろ、お釣りがでるくらいだ。

「……少し、冷えますね」

「今のはせめてスルーしてくれると嬉しかったんだけどな」

 さて、次はいつ来れるだろうか。

 肇と話しながら歩く道は、来た時よりも短く感じた。






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