文學少女
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 17:22:51.08 ID:e+N85h8HO
空は静かに夕暮れを迎えていた。

私がそれに気がついたのは、毎日午後六時に鳴る、下校を促すチャイムを耳にした時だった。

一日中窓際の席で小説を読み、読む本が無くなれば図書館に行くか、書店に行くか。これが私の高校生活におけるルーティンだ。今日もいつも通り、本を読み漁ってるうちに一日が終わったらしい。

読みかけの本に栞を挟み、鞄に仕舞うと席を立った。一緒に帰る友人などいるはずもなく、教室の戸締りをして生徒玄関へ向かう。

教室でお喋りをしていたらしい何人かの生徒や、文化部帰りの生徒の群れに紛れて、私は一人で階段を降りる。

決してそれが寂しいということではないけれど、少し彼らが羨ましくもある。真っ当に青春をしている気がして。

私の靴箱の戸を開けると、果たしてそこにはあるべき靴は無くなっていた。

憂鬱な気持ちにはなったけど、ショックを受けるということもなかった。

私が虐めというものを受けているということは、認めざるを得ない現実であるので。


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