退廃した世界で一人だけ情熱を失っていない博士ちゃん「ついに薬が完成したぞ!」
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4: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/07/24(火) 18:16:55.46 ID:+0FXIwOl0

不老不死の薬は、世界を大きく変えた。
あまねく医療関係者を退職へと追いやった一方で、科学技術や芸術の分野において一段越しでの発展を成し得たのだ。
それもそのはず。好きでもない仕事を、家族を養っていくためだけに勤めていた。そんな人々が、責任感から解放され自身の興味のあることに力を注いだのだから。
優秀な頭脳を持った医療関係者たちが、転職したことも世の流れに拍車をかけた。

人々の生活圏は、あっという間に宇宙まで広がり。今では、太陽系の外に達した者も居ると噂されているほどだ。
しかし、そうした人類の進歩も長くは続かなかった。

「なにせ時間は無限にあるのだ、焦ってどうなる。ゆっくりいこうぜ」
とある作詞家の曲の一節であるが、これが人々の心を打った。
技術の進歩に力を注ぐものは徐々に減っていき、世界は堕落的で無変化なものへと落ち着いてしまった。


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