57: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 20:33:43.88 ID:TQ5drJ1c0
アンチョビが去ると、祭りの喧噪の中でふいに俺の周りだけ音が消えたような気がして、妙に寂しかった。
ぼうっと宙を見上げると空は快晴で、『いい一日』っていうのはこういう日のことをいうのだなと何となく思った。
アルミ製のベンチに座って、屋台でやきそばを焼くおっさんやらビールを手に談笑するおっさんやらを眺めていると、ステージを中心とした人だかりが大きくなってきたのに気付く。
もはやベンチに座っているのもままならず、後方に下がると、マリンタワーの裏から、ステージ右手へと向かった。
アンチョビは首尾良くやっているだろうか。
計画では、スタッフに頼み込んで出演を終えたキャストと面会することになっていた。
無駄かもしれないが、事前に商工会議所側と制作側の両方へメールも送ってある。
「……まぁ、心配しても仕方ないか」
きっとアンチョビなら上手くやるだろう。
俺を説得できたのだから、同じようにやるだけだ。
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