11:名無しNIPPER[saga]
2018/07/15(日) 00:42:31.23 ID:68QvvrKK0
「山の中を歩くのも楽しかったですねー。道路を歩くのとは違って空気が澄んでいましたです」
さすがに君に見とれていたなんて言えない、というか今思い出すとかなり恥ずかしいことを考えていた気がする。
「……ライラさんは何か食べないの?」
無理やり話題を変える。
「夜ご飯食べてきたので、チョコレートだけしか持ってきてないですね…… 何か持って来ればよかったです」
「じゃあ僕の半分食べる? 一緒に食べたほうが美味しいし」
「いいのでございますか? ではお言葉に甘えて」
カバンからおにぎりとカップラーメン、お湯を入れた水筒を取り出す。
昔家族とナイトハイキングにいったとき母親が用意してくれたのと同じメニュー。小さいときに疲れた体で食べたこれがとても美味しかったのを思い出す。
「それじゃあできるまで少し待っててね、……あ、お箸一つしかないや。器は水筒のコップでいいけど……」
「それじゃあライラさん借りられないか聞いてきますです」
そう言ってパタパタと駆けて行くライラさん、すぐに家族連れのグループから余った割り箸を借りてきた。
ああいう行動力は本当にすごい。今日も初対面の僕に真っ先に話しかけてくれたし、見習いたいものだ。
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