【偽三次創作】どこかの誰かの話 その2【のんびり、まったり】
1- 20
256:俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU[sage saga]
2020/06/14(日) 22:58:46.16 ID:f2LR/ZFy0
我が子のお披露目って結構なんやかや動くのね。嫁には子供に専念してもらったので挨拶やら応対やらでぱたぱたしてました。
客で来たはずの母と義母が見かねて手伝ってくれましたが、嫁へのクレームは無しにしてもらいました。
子どもほったらかして接客なんて本末転倒、旦那が何のために育児休暇とったのかを問われかねない。
あとしみじみ実感、乳児って昼夜問わず泣くのね。私は夜中起きていても平気なので授乳以外は対応してますが(嫁が母乳育児を選択)
嫁も当たり前のように起きだしてくるので寝不足が心配。
それを嫁に言ったら、
「旦那様が無理なされることはないですよ、赤子は母親が見て当然ですから」
いやそれだと嫁がつぶれる。それを絶対回避したい。ただそれだけ。
怒られてもさわ子先生(嫁と子供の主治医)にミルク混合を相談せにゃいかんかのう、うむむ悩ましい(挨拶)

でもって、幸せのおすそわけ。麹義さんにもこうのとりさんが来ました。


「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないというか、こう胃がむかついて、それでいて酸味がむしょうに欲しくなるだけだが」
「それにしては食が細くなっていませんか?」
「胃がむかつくせいと匂いが、な」
「それは……」

ここ数日麹義の様子が変化していることに気づいた皇子、今朝も厠で吐いているのを見つけ慌てて横にならせたが原因がどうにも見当つかない。
胃腸が原因かと医者を呼びつけて診察させるもどうにも歯切れが悪い見立てしか言わない。
業を煮やした皇子、密かに、


「よいか、なんとしても張魯を連れてこい。使えるものは何でも使え。なんなら米百斗と積めるだけの金で引っ張ってくるのだ。百斗で足らなければ二百でも三百でも、とにかく相手が動くなら拉致以外は何でも使え」


子飼いの細作達にそう厳命して漢中に放った。

しばらくして、

「米五百斗も寄進してまで私を呼び出すとはどこのお大尽かとおもえば……」

張魯が細作達の護衛の下、麹義の屋敷までやってきた。

「で、患者は誰です?」
「私の宝物です」
「だから誰ですか?皇子、少しは落ち着きなさい」

完全にうろたえている皇子に一喝する張魯。みかねて家宰が、

「この家の主、麹義様です。はい」



「ふむ」
臥せっている麹義の顔をまず眺めると、まだうろたえている皇子に、
「ここからは女子の細かいことを見聞きせねばならん。殿方は出て行っていただこう」
と宣告して退出させる。

「さて」
一転、穏やかな声音で麹義に、
「二、三。質問しますが……」


「月のものは?」「かれこれ三月は来ておりませぬ」
「酸いものが欲しいと?」「気づけば欲しております」
「匂いに敏感になってませんか?」「過敏なほどに」


「おめでたですね。心当たりは?」
「ある。というか一人しか思い当たらないのですが」
「なるほど」


「張魯殿、一体何が原因で」
「その前に、皇子は麹義殿と交合しましたね?」
「……はい」
「おめでた、ですよ。身ごもられてますよ」

その言葉を聞くや麹義の寝所に向かおうとする皇子、張魯が、
「少しは落ち着きなさい、今は大事な時期ですよ」
とまたも一喝。続けて、
「良いですか、今日この瞬間から麹義殿と交合すること一切相成りませぬ。しばらくはつわりで食が細くなるでしょうから麹義殿が食べたいものを与えるように。しばらくすれば落ち着くでしょうからそこから消化の良い栄養のあるものを、しっかり食べさせてください」
「は、ははははははいっ」
「子を生かすも殺すもひとえに二人にかかっているのですからね、心してください」
「は、ははははははははいっ」

張魯が家宰に見送られて屋敷を出ると、奥から「万歳」が何度も聞こえてきた。その声に張魯は微笑むと南皮にいるであろう不肖の弟子の様子を見に市街へと
足を向けた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
326Res/364.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice