71: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/18(水) 22:36:49.97 ID:nNSPxpBl0
7月24日
給料日。だが、あまり晴れがましい気持ちにはならない。
おれは母親に、ひいてはばあのために仕送りをするようになった。
生活は苦しい。なにせ、感謝されることがない。
72: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/18(水) 22:37:18.38 ID:nNSPxpBl0
7月25日
実習生がかえっていく。いるべき場所へ。
これでよかった。別れの言葉はない。これでよかったのだ。
73: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/18(水) 22:37:50.76 ID:nNSPxpBl0
7月26日
またばあへ会いに行く。
おれはおれの知り合いということにして、おれの話をした。
がんばっているね、あんた、と、そう言われた。
74: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/18(水) 22:38:41.69 ID:nNSPxpBl0
7月27日
コストカット。調理場のエアコンの温度を上げろ、と主任が言う。
まったく、なんの冗談なのだろう。
みんなつらい、とやつは言う。
75: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/18(水) 22:39:16.87 ID:nNSPxpBl0
7月28日
ためしに2度度あげることになった。だが、到底たえられない。
30過ぎて、ここまでこらえしょうのない男になってしまったのか。
76: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/18(水) 22:39:44.74 ID:nNSPxpBl0
7月29日
熱中症でたおれるものがでた。
病院がちかいので、こういうときは便利だ。
主任が、根性がないとぼやいている。
77: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/18(水) 22:40:14.25 ID:nNSPxpBl0
7月30日
汗がふきだす。そのことをとがめられる。
ひとをやめなければここでは働いてはいけないのかもしれない。
78: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/18(水) 22:40:50.55 ID:nNSPxpBl0
7月31日
主任がいないときにだけ温度をさげることになる。
ロック。調理課長は反体制派の象徴だ。殿堂入りだ。
79: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/20(金) 22:44:26.40 ID:XZsFWvtR0
8月1日
スーツを着て、汗をかきながら歩くサラリーマンを横目に、ほぼ私服のような格好で通勤する。最高だ。
給料のことはかんがえない。
おれの劣等感はきりがない。
80: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/20(金) 22:44:52.77 ID:XZsFWvtR0
8月2日
うちの病院にも採用試験というものがあって、さらに、それに応募してくる学生がいる。
おどろくべきことだ。
応募者の半数はテストで絞られ、さらに半数が面接で絞られ、採用後は主任によってさらに半数に絞られる。
81: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/20(金) 22:45:28.25 ID:XZsFWvtR0
8月3日
包丁にガタがきている。
課長に経費でなんとかならないか尋ねてみたが、だめだという。
課長に悪気はない。
105Res/29.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20