【安価】異世界に来たので、折角だから何かする【オリジナル】
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298: ◆7m3grp2dM2[saga]
2018/07/10(火) 23:52:16.00 ID:kKzArGMpo


「…俺はさ、この結果に一つの希望を持ってるんだ。……いや、ある種の確信だ」

「確信…ですか?」

「ああ。俺の記憶…アスラの記憶、或いは他の記憶を無くしたはぐれ達。そんな俺たちの、記憶を持ってる奴が居るんじゃないかって事さ」

「俺から、アンタから…記憶を奪った奴が居るっていう確信。俺にはそれがあるぜ」

そう言い切ったキョウジは、決して慰めや励ましでそう言ったのではないと、確かな意思が伝わってきた。

「不意に心がざわつくことがあるんだ。『此処に何かがある』ってさ。アスラさんは無かったか?」

貴方は力なく首を振る。
思い出す限り、そんな事は無かったように思う。

「じゃあまだ出会ってないだけかもな。多分、出会えると思うぜ。そしたらすぐに分かる。『コイツが何か知っている』そんな感覚がさ」

「そういうもの……なのでしょうか?」

「ああ、そういうもんさ。俺も初めてそう言われたときは怖かったよ。自分が何者か分からなくなって、頭がおかしくなりそうだった。だから、今のアスラの気持ちすっげーよく分かる」

キョウジは貴方に同情してくれているのだろう。
まだ、貴方自身納得できないことも多かったが、キョウジと話して多少は冷静になれた。
……同じ境遇の人が居るというのは、とても心強いことなのかもしれない。

貴方はキョウジに感謝を述べる。
キョウジは『いいってことよ』と爽やかな笑みを見せた。

貴方は初めて、ここに来たのは運命だったのかもしれない。そんな事を少しだけ思った。



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