22: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:26:49.39 ID:Wze3yOnD0
人波をかいくぐり、芳乃は適当な場所で往来を離れた。
参道脇の小さな広場には、足を休める人々が思い思いの時間を過ごしている。
「この辺りがよいでしょうー」
「ん? ここにいるのか?」
「近くにおられますが、この人波はいかんともしがたくー。無理に追うと流されてしまいましてー」
「た、確かに……ついていくだけで精一杯でした……」
場所そのものは把握しているようだが、こっちが知っていようが確かに追うのは骨だ。
「あちらもそなたを探しておられますー。されば、居場所をご友人に知らしめるのが得策とー」
「だけど、どうやって?」
「お……大声を出すとかは……その、苦手なのでぇ……」
芳乃はこともなげに俺が持っているものを指差した。
「その子が役に立ちまするー」
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