【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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452:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/27(金) 02:20:58.91 ID:AGdfprM60
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 まゆりの動かすミシンの音が、ラボの空気にリズムを刻んでいく。
 耳慣れた機械音は、壁に背中を預けて立つ俺の耳を、小気味よく揺らしていた。

 そんな足早の拍子に意識を揺らしつつ、俺はまゆりの作業風景をぼんやりと眺める。

「何事も、タイミングが命だとは言うが……」

「ある意味、神がかってるわね、まゆりは……」

 独り言のつもりだった俺の呟き。しかし、それが聞こえたのであろう、紅莉栖が俺の言葉に反応を示した。
 すぐ隣でしゃがみ込んでいる紅莉栖に、俺は視線を向ける。

「助手よ。お前も、そう思うか?」

「助手じゃないけど、そう思う」

 折りたたんだヒザの上に右手で頬杖を作り、そこに顔を乗せて、まゆりを見る紅莉栖。そこに携えられた両目の、なんとまあ虚ろな事か。

「はぁ……」

 さらには、このため息。まあ、その気持ち、分からなくも無いのだが──

「ため息ばかりついていると、老けるぞ」

 とりあえず、茶々を入れておく。

「何言ってる。ため息はストレス解消に高い効果がある。これ、脳科学の常識。ついでに、ストレス解消は若さの秘訣。ゆえに、あんたの理論は成立しない」

 てっきり、口やかましく反論してくるかと思ったが、意外に冷静な反論をみせる紅莉栖。

『というか、どう転んでも反論されることには、変わりないのだな、俺は』

 などと考え、なんとな〜く、自分の未来予想図に、そこはかとない不安を感じていると──

「ねえ、岡部」

 まゆりから視線を外した紅莉栖が、隣に立つ俺を見上げた。

「なんだ?」

「あのさ……さっきの話なんだけど……」

 その、どこか歯切れの悪い口調に、紅莉栖が何を言わんとしてるのか先読みし、答える。

「分かっている。いずれちゃんと聞かせる。心配するな」

 そんな俺の言葉に、紅莉栖の眉間にシワが寄る。



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