26: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/06/21(木) 02:22:24.12 ID:VRvB94mS0
その日は朝からずっと雨で、まずいことに退社する頃になって雨脚が強くなった。
駅からタクシーを使うにもちょっとなぁという距離に自宅があるため、傘を差して早足で家路につく。
二十分そこらで見慣れたアパートが見えてほっと一息。ノブにカギを差し込もうとしたところ、
「あなたがPさんですか?」
うぅわびっくりした!!
ひっくり返りそうになりながら振り向くと、三メートルほど後ろにハリガネのように細い人影が立っていた。
その人の持つ傘だけがやけに少女趣味で、黒いビジネススーツに相まってなにやら異彩を放っている。
「驚かせてしまって申し訳ありません。私は、仙台で佐久間のマネージャーを務めていた者です」
女性の声だった。
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