44: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/23(土) 06:54:00.95 ID:NI6HsOLJ0
すると、タオルを腰に巻いた男の姿に星梨花が小首を傾げてこう尋ねた。
「プロデューサーさんは、見えてる部分が恥ずかしかったんじゃないんですか?」
彼女の視線は男の露わな胸元へと注がれている。
どうやら星梨花にしてみれば、隠すならその部分だと思っていたらしい。
プロデューサーは少女の無垢さ加減にありがたみと呆れの入り混じった複雑な気持ちになると。
「実は今日履いてるこの海パンがね、一昨年のモデルだってことに気づいたんだ」
「あの、それってどういう……?」
「去年買った水着の持ち越しは恥ずかしい。
それが一昨年にもなれば相当だろう? だからこうしてタオルで隠すのさ」
言って、男は腰のタオルを叩いて見せた。
星梨花は少し戸惑ったが、最終的にはその説明に自分なりの納得をしたようで。
「それじゃあ頭を流しますね」
先ほどまで響が座っていた椅子にプロデューサーが腰かけると、
彼女は手にしたシャワーの出具合を確認しながら微笑んだ。
温かな水流が男の髪を洗い流す。
床のタイルに降り注ぐ水滴が流れを作って排水溝へと旅に出る。
――これでようやく全部おしまいだな。
そうして男は、星梨花に頭を洗い流されながらやれやれと安堵のため息をつくのだった。
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