30: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:22:26.07 ID:B7zfLrAUo
キミは自分がどれだけトンデモないことをしたのか自覚しているのだろうか。
いつからか、何をするにしても冷静に結果を観察するだけの自分がいた。
自分の心の安全圏から外の刺激を味わうだけ。
結果を理解し、行く末を見通して終わり。ただそれだけのルーチンワーク。
31: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:23:29.35 ID:B7zfLrAUo
キミはあたしという有機体から、いとも容易く予想もつかない何かを取り出してしまう。
一体どんな視点、発想があれば成せる業なのだろう?
あたしに与えられたギフトをもってしても未だに解明できない難問である。
プロデューサーとはそういう存在だ。キミはそう言った。
32: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:38:57.45 ID:B7zfLrAUo
そんなキミで良かった。
このあたしを熱するには少しばかり過激な火力で丁度いいのだから。
33: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:39:32.17 ID:B7zfLrAUo
◇
34: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:41:05.23 ID:B7zfLrAUo
慌ただしい準備期間中、思い出したことがある。
あの国で賜物 (ギフト)を与えるとされている存在は、人が罪を犯すと罰として別の場所に移すことがあるらしい。
自分を振り返らせ悔い改めを促すという意図があるのだとか。
今の自分は化学への情熱を取り去られて、自分の生まれた国に戻されている身と表することもできる。
35: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:42:22.47 ID:B7zfLrAUo
『どうか、まだ許さないでください。私からこの罰を取り上げないでください。』
36: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:43:28.13 ID:B7zfLrAUo
あたしにとってこの罰は暖かすぎる。
この暖かさに慣れすぎてしまった。
もし許されたとしたら、この罰が終わってしまったら自分はどうなってしまうのだろう。
そう考えると祈らずにいられなくなる。
37: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:44:17.81 ID:B7zfLrAUo
故に、更なる罪を積み重ねにいこう。
38: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:46:32.23 ID:B7zfLrAUo
与えられた賜物を無駄遣いしにいこう。
そうすれば怒って罰の期間を延長してくれるかもしれない。
さあ、かつて慣れ親しんだ国を異邦の民として征服しにいこう。
あの国に残る残照を塗りつぶしにいこう。
39: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:47:02.19 ID:B7zfLrAUo
◇
40: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:47:33.57 ID:B7zfLrAUo
さあ、キミが描く景色を見にいこう。
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