25: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:16:37.56 ID:B7zfLrAUo
「キミが思い浮かべたその光景、サイコーに皮肉だよね!」
26: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:17:03.71 ID:B7zfLrAUo
―――現在進行形でその香りを生成しているキミのせいだ。
27: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:17:43.98 ID:B7zfLrAUo
◇
28: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:19:32.30 ID:B7zfLrAUo
更に数日後、NYに向かうまで2週間と少しほど。
キミは更にいい匂いをはなちながらロケの準備に奔走している。
その刺激が燃料になっているのか、あたしにしては珍しくレッスンに励んでいる。
もし匂いがなかったとしても今回のレッスンは熱が入っていたのかもしれない。
29: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:20:02.87 ID:B7zfLrAUo
『あたしとプロデューサーはねー。お互いが、被験者で実験者』
30: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:22:26.07 ID:B7zfLrAUo
キミは自分がどれだけトンデモないことをしたのか自覚しているのだろうか。
いつからか、何をするにしても冷静に結果を観察するだけの自分がいた。
自分の心の安全圏から外の刺激を味わうだけ。
結果を理解し、行く末を見通して終わり。ただそれだけのルーチンワーク。
31: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:23:29.35 ID:B7zfLrAUo
キミはあたしという有機体から、いとも容易く予想もつかない何かを取り出してしまう。
一体どんな視点、発想があれば成せる業なのだろう?
あたしに与えられたギフトをもってしても未だに解明できない難問である。
プロデューサーとはそういう存在だ。キミはそう言った。
32: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:38:57.45 ID:B7zfLrAUo
そんなキミで良かった。
このあたしを熱するには少しばかり過激な火力で丁度いいのだから。
33: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:39:32.17 ID:B7zfLrAUo
◇
34: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:41:05.23 ID:B7zfLrAUo
慌ただしい準備期間中、思い出したことがある。
あの国で賜物 (ギフト)を与えるとされている存在は、人が罪を犯すと罰として別の場所に移すことがあるらしい。
自分を振り返らせ悔い改めを促すという意図があるのだとか。
今の自分は化学への情熱を取り去られて、自分の生まれた国に戻されている身と表することもできる。
35: ◆CR8fnXmxUyll[sage saga]
2018/06/10(日) 13:42:22.47 ID:B7zfLrAUo
『どうか、まだ許さないでください。私からこの罰を取り上げないでください。』
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