渋谷凛「ふーん、アンタが私のプロデューサー?」
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6:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:25:35.98 ID:I88sbQdx0
そういえば凛を一回だけ泣かせたことがあった。
その時になりゆきで凛にスマートフォンを渡したのだけれど、何を思ったか彼女は0810とロック画面をタップしだしたのを鮮明に覚えている。八月十日は凛の誕生日だ。それが正解じゃないと気づいた彼女の恥ずかしそうな表情もなかなかのものだったが、俺も内心は穏やかじゃなかった。
本当の暗証番号は0401。
俺と凛が出会った日付だ。
また
「普通に気持ち悪いかな」
なんて言われそうだが、一度決めてしまうと変えるのも面倒で、今でも俺のたいていの持ち物はその四桁であけられる。
…そういえば誕生日と言えば、凛は俺の誕生日にわざわざプレゼントをくれた。
「別に、大したものじゃないよ」
そう言っていたけれど、随分洒落たブレスレットが蒼い箱に入ったそれは、俺にとってはかなり大したものだった。
「ありがとう」
「いつも助けられてるからさ」
なんてやりとりをしたのも、彼女らしく言えば、「悪くな」かったと思う。
ブレスレットのデザインが少しレディースライクなのは、彼女自身が欲しかったものを選んでくれたからだろう。
不器用で、優しい凛らしい。
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