渋谷凛「ふーん、アンタが私のプロデューサー?」
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24:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 02:22:52.57 ID:eWOyioU/O
油断しながら俺は煙を燻らせていた。その美しくない油断を、二階から見下ろす窓の外、艶のある黒髪が貫いた。
テーブルにコートも鞄も置いたまま、気付くと俺は店を出て階段を駆け下りていた。
「じゃあ、約束。もし私を街で見かけたら、必ず声をかけてよ。ゴシップもなんにも、気にしないでいいから」
「分かった」
「次会う日を決めたりするより偶然の再会があるかもって思って毎日過ごしたいからさ」
俺はそう約束した元担当アイドルの渋谷凛の背中に、少し上ずった調子で声をかけた。
振り向いた凛は驚いた顔をしてから、にっこりと笑ってくれた。
その日以来、まだ俺は彼女には会っていない。
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