5: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/07(木) 19:37:54.60 ID:ODZrmv780
「……まぁ、そこそこには」
「そこそこじゃなくて、具体的な時間を言ってください」
俺は案外に強く問い詰められ、思わずたじろぎ身を引いた。
十以上も年下な少女に気圧されるのはどうかと言う人もいるだろうが、
ここぞという時に見せる彼女の押しと圧の強さはそこらの大人にだって負けちゃいない。
おまけに彼女との付き合いがこれほど長くなり、互いに遠慮の要らない間柄になると、
普段のパワーバランスからして完全に逆転してしまってる。
……つまるところは舐められていると言ってもいいワケだが、
そこは一応、打ち解けるにつれて人を小馬鹿にする態度の増えた(本人は信頼の証だと言っていたが)
静香なんかとは違い、志保は志保なりの敬意を払ってくれてるようで。
面と向かって「情けないなぁ。私のプロデューサーなのに、
体調管理の一つも出来ないだなんて」と、たたっ切らない分彼女は優しい。
「……三日合わせて六時間?」
「ぐらいは寝てるんじゃないかな、多分」
とか何だと思ったのも束の間。途端、形の良い志保の眉が不機嫌そうにつり上がった。
……同じように俺を叱りつけても、途中で言い過ぎたかもしれないだなんてヘタれてしまう静香とは違い、
志保は最後まで叱り通すことができる娘だ。
後でキッチリフォローは入れて来るが、その分彼女は恐ろしい。
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