38:名無しNIPPER[saga]
2018/06/09(土) 22:22:35.18 ID:ZBeiBnMc0
モバP「リザルト」
◇
つつがなく、といっていいのだろうか。
ちろちろ、と蝋の尽きかけた蝋燭に灯っていた炎が掻き消えるように静かに。
ありすは最後の現場を終えた。
かなり昔から、それこそ彼女が小学生の頃からあれこれ手掛けていた、規模こそ小さなラジオトークの番組ではあったが、それゆえに思い入れのある番組だった。
入念に準備を進めていただけあって、終わるときは静かで。
当然、波風が立たなかったわけではないけれど、波乱万丈というほどでもない。
例えるならば、『一時期すごく話題になったタレント』といったあたりか。
この結果が失敗だったのか、成功だったのか。
俺にはなんともいえない。
――まだ上にいけたはずだ。
そんな風に今更になってそんなことを思うこともある。
だけれど、それだけの時間をかけて、彼女は子供から大人に。
気づいた時には大学受験を終え、今となっては橘ありすは大学生になっていた。
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