32:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 23:44:51.57 ID:/7MMeXOv0
《橘ありす「あれこれ考えるより先に迷わず私の手をとるべきです」》
◇
あなたが私を使うんじゃなくて、私があなたを使うんです。
……なんて。
こつん、と額に感じた衝撃で一瞬だけ過去の私が蘇る。
今の私よりずっと背丈の小さな女の子。
半眼で、不機嫌そうにむっつりとした顔をして。
思わず苦笑いが零れる。
少しだけ懐かしい気分です。
まぁ、普通に黒歴史なんですけどね!
当時の年齢を考えても、我ながらすんごいことを言っていたような。
……いや、本当に、よく嫌われませんでしたよねこれ。
時々、思い出したみたいに絡んできて"テスト”だなんだと難癖をつける。
そんな小生意気な子供によくもまぁ……、と。
口元を小さく笑みの形にして、目を細めているプロデューサーも恐らくは同じことを思い出しているのでしょう。
いえ、まぁ、言ってしまえば私の"テスト”とやらは、結局、途中からあれやこれやと、好きな人にちょっかいを出してかまって貰いたいが為の口実と化してしまった訳ですが。
自分のことなんですけど、なんで子供ってあつらえたみたいにみんなおんなじことするんでしょうね……。
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