21:名無しNIPPER[saga]
2018/06/19(火) 13:30:40.93 ID:KTkhg+ruO
超音速飛行を終えたハゲは、ゆっくりと塔の頂上に降り立った。柔らかな琴の音。すべてを包み込んでしまいそうな、絹の音色。
青年「おや、これはこれは」
糞僧衣を着た青年が1人、塔の縁に腰掛けている。
振り向きもせず、ハゲの存在を察知した。
只者ではあるまい。
ハゲ「地上で見た人間は、貴殿が初めてだ」
青年「私も、あなたが初めてです」
ハゲ「自己紹介すべきだな、お互い」
青年「その必要はございません。私は琴の奏者、あなたは旅人。それだけで良いではありませんか。詮索など不要」
ハゲは勃起したまま青年の隣に座った。
青年は溶岩のように煮え滾るハゲの男根を一瞥すると、フッと儚げに微笑んだ。
青年「あなた、だったのですね。やはり」
青年の頬を、一筋の涙が伝う。
ハゲ「なぜ、琴を弾いている」
青年「孤独がゆえ」
ハゲ「なぜ、孤独か」
青年「滅びたからです。この世界が」
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