22: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/06(水) 06:15:54.43 ID:jniM6iZW0
彼女は麗花の手からサッとこよりを取り上げると小さな子供を叱るように。
「ダメ、遊びで使うのは良くないわ」
怒られた麗花がシュンとなる。
彼女は不貞腐れたように琴葉の両肩に手を掛け抱き寄せると。
「私も琴葉ちゃんみたいなくしゃみしたい!」
「好きで出してるんじゃありませんから!!」
鼻をかんだティッシュをくしゃり。
琴葉が勘弁して! と叫ぶような嘆きを口にする。
それから、彼女はゴミをゴミ箱に片付けると和室にある押し入れへ目をやり言ったのだ。
「それより何よりお布団です。目的を忘れないでください」
「そっか! お昼寝しなきゃだったもんね」
「……麗花ちゃんは寝なくても大丈夫よ? お布団はプロデューサーさんの分」
掛け布団、敷布団、枕をそれぞれ分担して抱え上げると三人は和室を後にした。
会議室までの廊下をてくてく歩きながら、歌織はふと、妙な違和感を覚えて歩調を緩める。
自分の腕の中には敷布団――軽く作ってある物なので、
枕と一緒に女手でも楽々持ち運べる――琴葉も同じ物を抱え、麗花の担当は掛け布団。
「一組余分じゃないかしら……?」
一体全体いつの間に? 思わず小首を傾げたら、彼女は怪訝そうな顔をして呟いた。
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