1:名無しNIPPER[saga]
2018/05/30(水) 15:29:05.28 ID:OsyhJzOS0
曇天。後ろより光に透かされた灰色の朝。響くのは雨音のみ。
人の往来まだなし。また平素にさえずる鳥の羽音もなし。
雨に塗られたアスファルトとブロック塀が存在の重みを増していた。
水たまり。その水面は雨につつかれ幾重かの波紋に揺られる。
ぱしゃり。時雨が横切った。黄色い洋傘をさしている。
傘生地の裏ごしから時雨に届く雨の響きは弱い。
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/05/30(水) 15:30:26.13 ID:OsyhJzOS0
傘を畳んでしまってもかまわなかった。
側路にはいかにも梅雨景色らしくアジサイがあった。
時雨は立ち止まる。
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