3: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:33:23.52 ID:eC2l/XLI0
男は中野有香がデビューから以来の、
熱狂的なファンである。
朝起きると、天井に貼ったポスターに
4: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:34:05.25 ID:eC2l/XLI0
家に帰ると、ネット掲示板のアンチスレを監視する。
不逞な輩が彼女に危害を加えないか。
彼は刃のように目を光らせて、調べる。
5: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:35:27.15 ID:eC2l/XLI0
パックを剥がしたあとは、歯磨きをして、
軽く体操をし、布団に入る。
天井の中野有香に、
6: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:36:09.26 ID:eC2l/XLI0
彼は熱心に修行に取り組んだ。
体脂肪率はみるみる下がり、筋肉がついた。
空手を始めてから健康診断の結果は年々良くなって、
7: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:36:46.84 ID:eC2l/XLI0
今日が襲撃の日。
男は有給を取り、不審な人物が彼女に近づかないか見守った。
拳を固く握りしめ、血走った目で。
8: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:37:18.80 ID:eC2l/XLI0
誰にも彼女を傷つけさせていけない。
自分が傷つけさせない。
しばし男が陶然としていると、中野有香が十字路を曲がった。
9: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:38:16.25 ID:eC2l/XLI0
男が言い訳を思いつくより前に、
中野有香は上着を脱ぎ、構えた。
右拳は顎の高さまで上げ、
10: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:38:51.21 ID:eC2l/XLI0
構えた以上、男はしばらく口を閉ざすことにした。
倒すんじゃない。
彼女の攻撃を、少し受けるだけだ。
11: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:39:39.41 ID:eC2l/XLI0
警戒すべきは蹴り。
男と中野有香の間には、深刻なリーチ差がある。
男にそのつもりはないが、突き合いになれば彼女は不利だ。
12: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 00:40:17.04 ID:eC2l/XLI0
中野有香が踏み出した。
蹴りだ!
男は視線を下げて、中野有香の足を見ようとした。
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