122: ◆eYw0lnfieY[saga]
2018/07/20(金) 02:00:49.58 ID:IoFZ+4U/o
【お夜食】
早く寝すぎた
と、夜中にふと目が覚めた渋谷凛は後悔していた
学校の授業では何故な小テストの日程が被り、午後の体育では水泳。さらに激しいレッスンということもあって体力の限界だった彼女は家に着くなりシャワーを浴びてベッドに倒れこんだのだ
「お母さん……起こしてくれてもいいのに」
勿論疲れた疲れきった娘を慮っての行動である
それは理解していた。しかし今の渋谷凛はただただ
「お腹すいた……」
空腹だったのである
アイドルとはいえ育ち盛りの女の子である彼女は、昼のお弁当と事務所のお菓子だけではカロリーが不足していたのだ
「……はぁ」
家族を起こさぬ様忍び足で台所で食料を探す
が、前日の冷やご飯はおろかインスタント食品すらストックは無い
空腹を誤魔化すちょっとしたものでいい、食べた感じさえあれば救われるのだ
「……ピザトースト、とか」
炊飯器の予約を確認し朝食がパンではない事を確認、彼女の中でメニューが組み上がる
しかし
「チーズが……ない」
ピザトーストの主役チーズがない。最悪渋谷凛は食パンにとろけるチーズをのせトーストするだけでもいいと考えていたのだが、それすら叶わない
それと同時に目に入る調味料
そう、マヨネーズである
チーズの代替としてのマヨネーズである
彼女は揺れていた。いくら空腹と言えどこの時間にマヨネーズピザトーストはいかがなものかと
いやけど今日はハードだったしこの程度じゃ太らないでしょ……と
悩み抜いた末、彼女は食パンとマヨネーズケチャップ、それからハムとカット済み玉ねぎを取り出した
塗ってのせて焼くだけ、悩むの10分作るの2分である
「ふぅ……いただきます」
「はむ。はふ……あつっ」
「ん……〜〜〜♪」
リビングのみ電気がつき、愛犬も眠り静かな家の中
あつあつピザトーストを頬張る渋谷凛の咀嚼音が小さく響いていた
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