和久井留美「明るい未来の話を」-SS速報VIP

和久井留美「明るい未来の話を」

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43:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 01:45:48.43 ID:0Wv/HTop0
いまの部長の口ぶりからして、おそらく関係を迫った女性社員は過去にもいたのだろう。
そうして逆らえない子もいたし、抗っても握りつぶされた子もいたのだろう。
お前もそのうちのひとりでしかない――そう言いたげな、怒気を含んだつぶやきだった。

でも、部長。

以下略 AAS

44:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 01:49:41.25 ID:0Wv/HTop0
「部下の仕事道具も把握してないんですね、あれだけ怒鳴り散らしていたのに」

「そ……それを渡すんだ！」

「ええどうぞ、もう必要ないので」

以下略 AAS

45:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 01:50:39.49 ID:0Wv/HTop0
白昼夢を見るような、狐に化かされたような、放心した部長を後にしてフロアを立ち去る。
部屋の出入口で振り返り、

「おつかれさまでした、さようなら」

以下略 AAS

46:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 01:51:59.82 ID:0Wv/HTop0
………
……
…

バーの店内で、本日何杯目かもわからないカクテルを呷る。

以下略 AAS

47:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 01:53:27.41 ID:0Wv/HTop0
「隣、いいですか？」

ふいに声をかけられ、痛む頭を振って一瞥すると、スーツ姿の男性がそこにいた。
酔いからか自然と視線が下がっているようで、ピンドット柄のネクタイが目に飛び込んでくる。視線を上げるのも億劫で、ろくに顔も見ずに視線を空のグラスに戻した。

以下略 AAS

48:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 01:55:53.85 ID:0Wv/HTop0
「今日……辞表を叩きつけてきたの。趣味が仕事って言えるくらいには打ち込んできたのに……簡単なものね」

酔いの力も借りて、いまの私は饒舌になっていた。
こんな、会ったばかりの誰かもわからない男に、身の上話を語っている。

以下略 AAS

49:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 01:57:33.61 ID:0Wv/HTop0
「では、これを」

「あら。名刺、頂戴します……えっ」

以下略 AAS

50:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 01:59:55.63 ID:0Wv/HTop0
「嘘……え、貴方、なんで……」

あまりのことに思考がまとまらず処理が追いつかないでいると。

「辞めてからまたこっちに戻って、再就職したんです」

以下略 AAS

51:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 02:01:49.48 ID:0Wv/HTop0
「ヤケ酒具合からまさかと思いましたが、辞めた直後とは」

「本当よ。だから未来の話なんて」

「いえ、だからこそですよ。さっきスカウトからトータルで、と言いましたよね」

以下略 AAS

52:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 02:02:28.81 ID:0Wv/HTop0

「明るい未来の話をしましょう」

以下略 AAS

53:名無しNIPPER[saga]
2018/05/24(木) 02:06:52.82 ID:0Wv/HTop0
デレステの和久井さんメモリアルコミュ、こんな台詞言えちゃうプロデューサーイケメン過ぎ。
ここまで読んでくださった方に、名刺だけでも。

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