【孤独のグルメ風艦これSS】和定食膳 おにぎりを添えて
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2:名無しNIPPER[saga sage]
2018/05/21(月) 19:23:18.36 ID:1/OiRNxY0

赤城「あの……」

鳳翔「はい?……ああ、おにぎりのお代わりですね」

赤城「はい、お願いします」

鳳翔「…………」パタパタ…

赤城(言わなくても通じてくれる。いいですねぇ……)

鳳翔「どうぞ」

赤城「あ、三つもいいんですか?」

鳳翔「ふふっ、特別ですよ」

赤城「ありがとうございます」

赤城(さて、それでは私も頼みましょうか。何人前にしま……)パクリ

赤城「こ、これは……!」

赤城(ああ、あまりの美味しさに思わず声を出してしまいました)

赤城(おにぎりそのものには一切味が付いておらず、しかしその具は自己主張の激しい高菜ですか)

赤城(口の中で白米と高菜が混然一体となって醸し出すハーモニーは、強すぎず弱すぎず、何かに添える飲み物としての味ではなく、飲み物単体のおいしさを持っているおにぎりですね)

赤城(もしかして、これはそれぞれ味が違うのでしょうか。嬉しい誤算ですね)

赤城(二つ目は……昆布ですね。……あら?少し柔らかいような……。ああ、これはお出汁で使った昆布と鰹節を佃煮に使ったんですね)

赤城(出来立ての佃煮。出来立てだからこそのしょっぱさがまた堪まらないですね。噛んだと同時にじわっと染み出してくる昆布のうま味がうまく白米に絡んで……ん〜〜〜)パタパタ

赤城(そうだ!これ、空技廠の皆さんへの差し入れにできるか聞いてみましょう)

赤城(ですが今は……最後のおにぎりを堪能するのが先です)ヒョイ

赤城(最後のおにぎりは……)パクッ

赤城(ん〜〜、すっぱ!梅干しですね。しかも昨今の酢漬けではなく、鳳翔さんがじっくりと手作りしていた塩漬けの梅干し)

赤城(だから味が濃いですね。ああ、唾液がどんどん出てきてしまいます)

赤城(このどうだと言わんばかりの酸っぱさ。梅干しはおにぎりの単純にして至高と究極の具であると、そういいたいんですね、鳳翔さん!)

鳳翔「…………?」

赤城(この梅干しならおひつ三杯は軽くいけます。間違いありません!)

赤城(……と、もう終わってしまいましたか。次は何でしょう…………って、私としたことが、注文も何もしていないじゃないですか!)

赤城(何という失態!私は慢心していたというの、赤城!ここが戦場ならば私は武器を構えず棒立ちをしていたに等しい!)

赤城(何て愚かなの!私は最初に出されたおにぎりに打ちのめされ、注文することを、食べる事を忘れてしまっていた!)

赤城(そうだ、だから鳳翔さんは今でも私の近くに居るんだわ)

赤城(くっ、私のミスのしりぬぐいを鳳翔さんにさせてしまうだなんて、一生の不覚。今度からは気を引き締めないと)

赤城(だから気を引き締める為にも、いつもより多く食べましょう!)

赤城「鳳翔さん!」

鳳翔「は、はい、なんでしょう」

赤城「和定食膳をこれだけお願いします」ピース

鳳翔「はい、和定食膳二人前ですね」

赤城「いいえ!二十人前でお願いします」



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