1:名無しNIPPER[saga]
2018/05/18(金) 23:21:27.10 ID:eptKE7Au0
長い療養生活を経て。
一番の収穫は、あの曲に出会えたことだと。
今なら、本当に心からそう思う。
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/05/18(金) 23:21:58.74 ID:eptKE7Au0
入院中。入れ替わり立ち代わりで、みんながお見舞いに来てくれた。
恵美をはじめとした灼熱少女の面々。歩、昴ちゃん、千早ちゃん、志保ちゃん、新しく仲間に加わった紬ちゃんと歌織はん、他にもたくさん。
中でも、1番顔を見せてくれたのは。他でもない、私の担当プロデューサーだった。
検査、投薬、そしてリハビリ。
決して楽ではない日々の中で、彼は本当に私を支えてくれた。
3:名無しNIPPER[saga]
2018/05/18(金) 23:22:24.17 ID:eptKE7Au0
幸せが一定量を越えると、一周回って不安になると言い出したのは誰だっただろうか。
リハビリを進める中、私の中に生まれた黒い感情は、日に日に大きくなっていった。
私は、彼の居場所を奪ってはいないだろうか。
彼は、私といることで無理をしていないだろうか。
私が石ころみたいにちっぽけな存在だったら、彼にこんなに迷惑をかけることは無かったのに。
4:名無しNIPPER[saga]
2018/05/18(金) 23:22:53.77 ID:eptKE7Au0
「もう私に関わるのはやめてください」
プロデューサーにそういったことがある。
私は彼を慕っていた。心の底から信頼していた。それはきっと、アイドルとプロデューサーという関係を越えた感情だったと今なら断言出来る。
だから、今のままでは行けなかった。彼を私という「歪み」の中に引きずり込んではダメだと思っていた。
「琴葉が復帰して、トップアイドルになったらそうするよ」
5:名無しNIPPER[saga]
2018/05/18(金) 23:23:41.76 ID:eptKE7Au0
恵美に「私、死んだ方がいいのかもしれないわね」って言ったことがある。
その直後、病室に響いた乾いた音と、頬に走った痛みを忘れることは一生ないだろう。
泣いていた。あの恵美が。いつも笑顔の恵美が。普段、例えライブ後でも嬉し涙以外を見せたことがなかった恵美が。
その綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
「馬鹿!!!本当に馬鹿!!!あんた、あんた自分が何言ってるかわかってんの!?」
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