52: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2018/06/24(日) 08:22:14.68 ID:u2t+T4dv0
楓さんの話す声が、耳に心地いいです。
飲み会のこと。シンデレラガールのこと。
「あまり自分は、なにが変わったということも、ないんですけど」
「はい」
「お仕事を沢山いただけるようになって、皆さんに広く知ってもらえて、嬉しいです」
お互いに、お酒も程よく廻り。
私も、楓さんと同じ赤ワインをいただきながら、卵黄のみそ漬けを少しずつ口に。
コクのある塩気が、ワインと馴染みます。
「ところで、歌織さん?」
「なんでしょう」
「歌は、お好きですか?」
「ええ。それはもう」
楓さんは私の返答を聞くと、「よかった」と微笑み。
「私も、大好きです」
「幸せですよね。皆さんに聴いていただけること。本当に」
「ほんと、そうですよね……ですから、私は」
楓さんの瞳が、私の瞳を捉えます。そして。
「歌織さん。あなたがとても、うらやましいです」
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