273: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2019/03/16(土) 02:25:28.20 ID:0ichYolu0
大型駅エリア、バリケード内。そこは探索組がキング討伐の為に、一度だけ攻め込んだ場所だ。その戦いの生々しい名残として、大型駅の象徴であったホテルのあるビルの爆破痕はある。だが、あの激しい戦いは、キングを討つためのものであり、目的である都市の解放。それの前哨戦のものでしかない。
この中には、純粋な戦闘力を持つ上位種がいるのは間違いないのだ。キングが去ったと言っても、局所的で強力な危険はここには眠っている。
「(…そしていずれ目覚めるかもしれない)」
引くにしても行くにしても、危険は避けられない。何より、ゾンビは変異体へと凶悪化していると思われる今、上位種を放置そのものが、キングよりも危険な物を生み出す可能性すらある。ならば、今ある危険を甘んじて受け入れなければならない。
そこまで考えて、どこどこまでも危険が付きまとう日々だと、放浪者はため息をつけたくなった。思い描くただ静かな生活は、もうそろそろで2年近く経とうとしてもまだ、叶いそうにはない。
『じゃあ、ビジョン経由で探索組のフォローするぜ』
無線から、サポートチームのエクスから連絡が入る。残り最後の任務ということもあり、研究所も積極的な協力体制で挑もうとしている。わずかな危険が、取り返しのつかない危険へと変わる可能性を、これでだいぶ下げることになっただろう。
幸い天気は快晴、何かしらを見逃す可能性も減った。そう思いながら、放浪者を筆頭に探索組はバリケード内へと探索を始めたのだった。
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