【バンドリ】湊友希那「バンドやらない?」美竹蘭「……は?」
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34:名無しNIPPER[sage]
2018/05/14(月) 09:14:50.03 ID:EZCEfSpa0

蘭(そんなことを思って、あたしは再び歩きだす)

蘭(夕陽を背にしていた。行き先を示す道しるべのように目の前に自分の影が伸びている)

蘭(この影の先には何があるのかな、なんて変なことを考えているうちに、自分の家がある住宅街にまでたどり着いた)

蘭(そして、塀に寄りかかってぼんやりと空を眺める人影を見つけて、あたしは小さく笑ってしまう)

蘭「……なるほど、大した道しるべだね」

蘭(自分の顔に浮かぶ笑みを噛み殺して、努めてなんでもないような澄まし顔を作る。そうして足を進める)

蘭(1歩、2歩、3歩)

蘭(4歩目を踏んだところで、あちらもあたしに気付いたようだ)

蘭(目が合う。そしていつものマイペースな声が投げかけられる)

モカ「やぁー蘭〜、奇遇だねぇ〜」

蘭(夕陽に照らされたモカ。その顔が嬉しそうに綻ぶ。それを見て、噛み殺したはずの穏やかな笑みが自分の顔に浮かんでいるだろうことを自覚する)

蘭(……まぁ、それも仕方がない)

蘭(どんなに悩んで、苦しんで、迷っても……あたしの帰る場所はいつだってここにあるんだ、と)

蘭(いつも通りのモカを見て、そんなことを考えてしまうのだから)

蘭「そうだね。奇遇だね」

蘭(言葉を返す。あたしの家の近くで待ってたくせに、奇遇も何もあったものじゃないでしょ……そんな野暮な言葉は、今日のところは飲み込む)

蘭(ありきたりな『そんなもの』の積み重ねで出来た『いつも通り』)

蘭(その1ページくらいには、少しだけ素直な顔をした17歳のあたしがいたっていいだろう、なんて)

蘭(いつも通りの天邪鬼なあたしはそう思うのだった)


おわり



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