12:名無しNIPPER
2018/05/12(土) 22:03:40.13 ID:RrOmRxVI0
「……か、文香?」
「あ、はい」
「どうしたのそんなにぼーっとして?」
どうやらまた物思いに耽ってしまったようです。
実はこうしたことが今回初めてではなかったりします。
奏さんとの時間を大切に思えば思うほど、いつの間にか意識がそれてしまうことがあるのです。
それは、体調の悪い時に講義の途中で船を漕いでしまうのとは全く事情が異なります。
あえて言うのなら、物語を読む時に似ています。
読み進める内にとても引き込まれてしまうような一文や描写があると、ついその光景を思い描いてしまい、気がつくと次の文を読み進めることを忘れてることが稀にあります。
このように周囲のことを忘れ、まるで見惚れてしまうかのようになってしまうことは以前から無かったわけではないのですが、お話をしてくださる相手が目の前にいてもそうなるのは少々問題があると言えるかもしれません。
以前もこうして奏さんに意識を呼び戻された際、少し驚いた拍子にグラスを倒してしまったのでした。
その時はレッスンで疲れているのかもしれないということにしたのですが、咄嗟とは言えどそのようなことを言うと、相手に失礼かと思い自身の中で反省しました。
奏さんのお話に興味が無いかのような発言は避けたかったのです。
さらに言えば、今はまだレッスン前です。
なので、今回はありのままを伝えました。
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