39: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:22:14.72 ID:aw+Q2owr0
〇
「そりゃあもう酷い男だったのよ。『君とならスターを目指せる』だなんて、けっ!
いい加減なことばかり言って女をとっかえひっかえ!」
「他の子もそう。足の引っ張りあいに陰口の叩き合い。
のし上がりたければ女を磨けばいいのに、他人を下げることに必死の性悪ばかり!」
いつしか彼女の弁は滑らかになって参りました。
語るや語る、堰を切ったが如く身振り手振りも交えて。
長年の鬱憤があったのでございましょう。
或いは、お話を聞き届ける誰かが欲しかったのやもしれません。
何十年もずっと。
「お偉いさんもクズばっかよ。カネに目がくらんだヒヒジジイの思惑一つでみんなひっくり返って、
そういう軋轢やしがらみですり減って、最後は食い潰されてポイなの。そういうもんなの」
「でも……でもねぇ」
「本当に凄い子だって、いたのよ」
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