37: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:20:27.39 ID:aw+Q2owr0
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これはきらびやかなる大都会、東京の片隅にあった挿話でございます。
夢を持つ女性がおりました。彼女の声は宝石のようで、放たれる歌はとても美しかったといいます。
いずれは歌で身を立てたい。自分だけの大きな舞台で、世界中の人にこの歌を届けたい。
幼少の砌(みぎり)よりそう思っておられた彼女ですが、周りは必ずしも歓迎しませんでした。
なんとなれば彼女の故郷は、都会から遠く離れた小さな田舎町。
そこで生まれ、そこで育ち、そこで家庭を築いて生きていくのが尊ばれます。
地元単位のネットワークは鎖のように堅固で、彼女の人生に絡みつかんばかりでした。
彼女はそれを嫌い、大喧嘩の果てにお家と絶縁なさいました。
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