796: ◆9OydVuNlLY[digital devil saga]
2019/02/28(木) 01:18:08.22 ID:j0YqRcJQ0
焼かれるような、やすりをかけられるような、全身の痛みが私を苛む。
周辺は油のようなもので満たされているようで、体が思うように動かせない。
声も出せず、何も聞こえない。
目も痛くて開けていられないので、どのような景色が広がっているかはわからない。
開けてみても何かが見えるとは限らないが……
見当がつくのは、(どうやって収まっているのかはわからないが)ここがセイオウボの胃袋か何かの中だろうということくらいだ。
喰らわれる前から固く握りしめていた刀がそのまま私の手の中にあることは幸いだった。意識もはっきりしている。
私がここで死ぬとするならば、一人で戦うことになってしまったワルターのためにできることは一つ。
少しでもセイオウボの力を削ぐため、一秒でも多くあがくことだ。
手に力を込めてみると、確かな手応えがあった。見て確認することはできないが、刀身が白い光を纏っているはず。
流体の抵抗を受けながら、私は命を燃やし尽くすつもりで力を込め続け、刀を振り回す。
狙うべきものもないまま、魔法を撒き散らす。
痛みが強すぎて私は知覚できないが、これでセイオウボに幾分かのダメージを与えられるはずだ。
……
突如として私の体は宙に放り出された。
全身の痛みはかき消え、空気に触れた肌が冷やされる。
私は死んだのか?
ヨツバ「……」ストッ
どうにか着地して目を開くと、そこは悪魔の結界の内部だった。
息を吹き返した私の感覚が、お前はまだ生きていると伝えて来る。
痛みで麻痺した体をゆっくりと動かして周囲を確認すると、
目を見開いて呆然とするワルターの姿があり、
仰向けに倒れ、腹部に破裂したかのような穴が空いた、セイオウボの姿があった。
セイオウボにはもう、戦うだけの力は残されていないように見える。
ワルター「……」
セイオウボ「な……何ということじゃ……」
セイオウボ「よもや……喰ろうた人間に……殺されるとは……」
……意識が朦朧としてきた。
多数決安価:ヨツバは気を失う前に何をする? ↓1から2票先取
1."トドメを刺せ"と言う(セイオウボ死亡)
2."失せろ"と言う(セイオウボ逃走。次回敵対時バリア復活、終盤であれば更に強化)
3.(その他の自由な発言・行動 よほど無理がなければ採用)
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