69:名無しNIPPER[saga]
2018/05/08(火) 23:58:26.13 ID:eXohmhoj0
「そこでひとつだけ提案があります。
福島けい子さん。どうか刑務所で子供を産んでもらえませんか。」
「刑務所って何で…そんなところで子供が産めるわけないでしょ…!?」
「ええ、そんなことになればあなたには前科が付く。
ですがお腹の父親はあなたの素性を知っていますよ。
この先あの男があなたと結婚するという可能性は無いと考えた方がいい。
そうなればお腹の子も今までの子と同じく無戸籍児にするつもりでしょう。」
「だって…それは…けど…」
「刑務所で産めば少なくともお腹の子に戸籍を与えることは出来ます。
その子は晴れて世間に知られる存在になる。もう存在を隠す必要はなくなりますよ。」
確かに刑務所で産めばお腹の子は戸籍を得られる。
だがそれはけい子の望むところではなかった。
けい子は幸せな家庭を得たいだけ。子供がいてそれに愛しい旦那がいる幸せな家庭。
だがその願いは果たされなかった。その原因は前の男との間に出来た子供たちだ。
どれほどの男と付き合おうとも
最後に子供たちの存在を知らせると途端に手のひらを返される。
いつしかけい子はこんな生活に疲れ果てていた。
そんなけい子に言い寄ってきたのがあのヤクザだ。
それでけい子は思った。今度こそ幸せを掴めると…
だが邪魔な存在がいた。子供たちだ。あの子たちがいてはまた結ばれずに終わってしまう。
だから子供たちを見捨てた。それが子供たちに何をもたらすのかわかっていたのに。
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