3:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 14:38:30.22 ID:A6rjc17z0
「“疫病神”、とも言われている」
事務員さんは、手元の資料に目をやりながら、プロデューサーさんに答えました。
「彼女が所属した事務所は、軒並み倒産に追い込まれている。
半ば都市伝説じみているから、業界でもそれなりに有名だ」
「で、その子を社長が拾ってきたって?」
「あぁ」
プロデューサーさんは、椅子にもたれながら大きな声で笑いました。
「そいつはいいや! もう潰れる寸前のこの事務所を、社長自らトドメを刺しにきたってこと?
あからさまだよなぁハッハッハ、ねぇ美優さん?」
「い、いえ、あの……」
私が、もっと頑張れていれば、この事務所も――。
「キミ、言葉を慎みたまえよ」
事務員さんがそっと苦言を呈すると、プロデューサーさんは、ハッと手を大きく振って、
「いや、違う! 美優さんがどうって話じゃない、むしろ俺だから! ごめん美優さん!」
プロデューサーさんに悪気が無いのは、分かっているのですが――。
226Res/193.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20