【ガルパン】オレンジペコ「極楽も地獄も先は有明の月の心に懸かる雲なし」
1- 20
8: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:30:33.54 ID:YK6reToq0
ダージリン「こんな格言を知ってる?為せば成る、為さねば成らぬ成る業を、成らぬと捨つる人のはかなき。やればできることをやらずに諦めてしまう人は取るに足らない、という意味よ。」

オレンジペコ「武田信玄ですね。私もやってみたいです。ダージリン様がやればできるとおっしゃってくれていますので。」

梓「……わかりました。そこまで言われたら私も覚悟を決めます!」
以下略 AAS



9: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:31:12.56 ID:YK6reToq0
1ヶ月後、神奈川県某所で大洗と聖グロリアーナの合同練習と称したエキシビションマッチが行われた。
梓は最前線で戦いながら指示しているのに対し、オレンジペコは後方で指示に徹しており、どこか余裕があるように見える。
各車輌レベルで練度の差もあったが、何よりもオレンジペコが梓の作戦を読み切ったことで、結果として聖グロリアーナが勝利した。


10: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:31:59.22 ID:YK6reToq0
梓はこの結果よりも過程に落ち込んだ。途中途中で実質的に隊長がみほに代わっていたのも気づいていたし、そうなっても仕方ないと思うほど上手く指示ができていなかったと反省した。
試合が終わった後、当然周りからのフォローもあったが、それすらも辛く感じたほどだ。
後日、大洗にティーセットが届くことになるが、梓はこれも自分に対してのものではない、社交辞令かあえて誰にと言うならば西住隊長にだろうと判断した。


11: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:32:27.01 ID:YK6reToq0
その次の日、オレンジペコから梓に封筒が届く。
中に入っていた手紙には「隊長同士で当日できなかった感想戦を行いたい。」といったことが書かれており、招待状が同封されていた。
梓は当初行くつもりがなかったが、同じ戦車に乗る仲間やみほの勧めもあり、聖グロリアーナの学園艦に赴くことにしたのだった。


12: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:33:58.78 ID:YK6reToq0
オレンジペコ「ごきげんよう、澤さん。今日は来ていただいてありがとうございます。」

梓「こんにちは、この前は挨拶もそこそこに帰ってしまってごめんなさい。」

オレンジペコ「いえ、気持ちはわかりますから……。さぁどうぞ、座ってください。紅茶を用意しますね。」
以下略 AAS



13: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:34:39.71 ID:YK6reToq0
オレンジペコが紅茶を淹れると程なくして感想戦が始まった。
見事だ。梓はそう言うほかなかった。
当然紅茶のことではない。オレンジペコの指示はどれも的確に梓の作戦を潰すものだったのだ。
あそこをああすればとかそういうレベルでなく、まるで心を見透かされているような、そんな感覚を梓は味わった。


14: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:36:07.05 ID:YK6reToq0
梓「やっぱりオレンジペコさんは凄いな……。やっぱり私に隊長なんて早かったかも。」

オレンジペコ「そんなことありませんよ。実力は私と変わらないくらいだと思います。戦車道を始めて1年足らずでここまでできる人なんてなかなかいませんよ。」

梓「そんなお世辞を言われても、むなしくなるだけですよ。あのティーセットだって、気を使って送ってくれたんですよね?」
以下略 AAS



15: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:36:35.11 ID:YK6reToq0
オレンジペコ「……この1ヶ月間、私がなにを考えていたかわかりますか?」

梓「え?やっぱり戦術のこととか、地形のこととか?」

オレンジペコ「ちょっと待っててくださいね。」


16: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:37:31.87 ID:YK6reToq0
そう言ってオレンジペコが席を立つ。
しばらく待っていると、彼女はなにやら小包のようなものを持って戻ってきた。

オレンジペコ「これをどうぞ、澤さん。」

以下略 AAS



17: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:38:15.18 ID:YK6reToq0
オレンジペコ「さっきの答え合わせですが、ハズレです。……あなたのことですよ。ずっとあなたのことを考えていました。あなたならどういう作戦を立てるか、どう反応するか、夢に出てくるほど考えました。」

オレンジペコは向き直り、梓の前で宣言する。

オレンジペコ「澤さん、いえ、梓さん、あなたが私のライバルです。西住さんや他の誰かではなく、あなたです。」


18: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/28(土) 00:38:47.49 ID:YK6reToq0
梓「そうだったんだ……。なんだか、嬉しい。それだけ私のことを評価してくれてたってことですよね。なのに私……。」

オレンジペコ「あなたが転んでしまったことに関心はない。そこから立ち上がることに関心があるのだ。」

梓「え?」


31Res/11.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice