宮尾美也「ネコになった日」
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3:名無しNIPPER[saga]
2018/04/27(金) 03:10:48.61 ID:6FtTvWVno
志保「茜さん、どうも」

茜「おやおや〜。ずいぶんかわいい子を相手にしてるじゃん」

そう言いながら茜ちゃんも私の前にしゃがみ込みました。
そう言って私の背中をなでなでしてくれます。
おぉ〜志保ちゃんとはまた違う良さがありますね〜、
気持ちいいです〜。

志保「野良猫だと思うんですが、人懐っこくて、つい」

茜「なでなでしちゃってたわけか〜」

はっ、ですからそんな場合じゃないんです。
茜ちゃーん、美也ですよ〜。
ネコさんですけど美也ですよ〜。
そう喋ったつもりですけど、私の口からはニャーという声しか出ませんでした。

茜「おやおや〜。よく見るとこの子、美也ちゃんに似てない?」

志保「美也さんに、ですか?」

茜「ほら、この毛の色とか。何より目の上の毛の色がちょっと違うのが、眉毛っぽくない?」

ですから〜、美也なんですよ〜。
気づいてくださーい。

志保「そうですか? まぁ、わからなくはないですが」

茜「ふっふっふ、みんなに送ってあげよう。今日の話題はこの子が独り占めだね」

茜さんはスマホで私の写真をぱしゃぱしゃと取り始めました。
最近は写真を撮られることも増えましたけど、ネコさんでとられるのは初めてです。
ポーズとかどうすればいいんでしょう?
そんな風に悩んでいると志保ちゃんが携帯の時間を見てあっと声をあげました。

志保「茜さん、そろそろ行かないとレッスンに遅れますよ」

茜「おぉっと、そんな時間か。名残惜しいけど、じゃあね」

志保「ばいばい」

ふたりはそう言いながら立ち上がって私に手を振って踵を返しました。
待ってください〜、置いていかないでくださ〜い。
にゃーにゃー鳴きながら二人の後を追いかけます。

茜「あらら。あの子ついてきちゃってるよ」

志保「……どうしましょう」

劇場の他の誰かなら気づいてくれるかもしれません。
だから私も一緒に行きますよ〜。

茜「……劇場はもうこぶんちゃんが居るから、これ以上は飼えないよねぇ」

志保「わかってます。でも」

足を止めた志保ちゃんの足にスリスリと体をこすりつけて尻尾を絡めます。
気づいてください〜。
私、美也なんですよ〜。



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